胃癌(st1B)体験記、ときどき映画

42才、胃癌(st1B/印環細胞)体験記。趣味は映画鑑賞です

白い犬〈配られたカードで勝負するしかないのさ

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私は、現代日本っつー、恵まれた時代と国に生まれたおかげで、
癌になっても(とりあえずは)治してもらうことができた。

50年前だったら、他国だったら、私はとっくにのたれ死んでるんだろうと思うと、首の皮一枚でつながったような幸運に、申し訳ないような安堵するような、心が凍るような気分になる。

癌がst1で発覚したのも、
ルーワイ手術なるものが技術として確立されてたのも、
そしてそれを受けることができたのも、
私は運がめちゃくちゃ良かっただけだ、と。

で、だ。

じゃあその幸運に感謝して、日々精一杯生きてるのかというと、コレがそうでもない。
仕事したり遊んだり、映画見たり、家事したりサボったり、、
たらたらと生きてる。

なんでもないようなことが幸せだったっつー意見もあろうけど、死ぬか生きるかの瀬戸際で「運がめちゃくちゃ良かった」ってだけで生き延びておいて、その幸運を「なんでもないこと」と言うのも、なんか、違う気がして。


ああもう。
癌になって以来、答えのでないことを考えてしまうんよね。


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神様メール



いっそのこと、↑コイツみたいな神様がいてさ、ろくに推古もせずに説明書を殴り書きしたから、ぜんぶ仕方ないって言われた方が気が楽だわー


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胃癌になると貧血になる。バタフライ・エフェクト

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ずいぶん体調も良くなったけれど、未だに、たまーに胃の鈍痛やら立ちくらみに襲われる。
風邪気味とか寝不足とか、理由がはっきりしてれば良いのだけど、思い当たるフシがなかった日にゃ「なんでだ何が原因だ何をしたってんだ」と八つ当たりしたい気分になる。

癌になって以来、人間ってわかりやすくて、かつ、平均的な因果を求める動物だとつくづく思う。

癌になったから貧血になる、とか、
40代女性だからピロリ菌保有してた、とか。

んで、安易な方法で解決策を求める。

貧血だけど、コレを食べれば大丈夫。オールオッケー、とか、
ピロリ菌飼ってたけど、もう排除したから大丈夫。オールオッケー、とか。

考えてみれば、何だって、誰だってそうだ。

コレさえすればOK、ほかに努力いらない。
ただでさえ煩雑な日常で、あれもコレもやりたくない。
コレさえすればってのが、わかりやすくて助かる。


だけど、整体の先生曰く、
「歳とったからだはね、メンテナンスの努力しなきゃダメ。
放っといてごまかせるのは若いうちだけ。
歳とって元気でいたかったら、できることを努力して、継続しなきゃ。
コレだけとか今だけとかじゃなくてね。
体も頭も、全て繋がってるんだから」

だそう。

ただでさえ煩雑な日常で、あれもコレもやりたくない。

だけど、自分の体の面倒くらい、自分で見なきゃ誰が見るというのか。
手の届く範囲から、少しづつ努力していこうと思ってる次第です。




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来年はタピオカのない世界が訪れるだろう

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術後は、体調不良に悩まされた。

私はまあ、言うてもリサイズ(胃全摘出でなくて)しただけなので、そこまで酷くはなかったけれど、
不意に、でもしょうっちゅう来る軽い貧血はしんどかった。

薬を飲むほどではないし、大人しくしてるとすぐ治るのだけど、
「あーそろそろ貧血になるな」という予想もままならずに不意打ちされ続けると、すごく疲弊する。

「胃癌を取り除けたんだから、この程度の不調は仕方ないよなあ」って、
だましだまし、不調と付き合ってきた。

ところで、術後はまあ聞いてもいないのに、色んな人にいろいろな健康法を勧められた。
病院やら、サプリやら、健康茶やら、整体やら、スピリチュアル的なもろもろやら、、

見るからに胡散臭いものもあったけど、殆どが、
サプリだろうとお茶だろうと、コレだって思うものを続けていけば(個人差はあれど)結果につながるんだろうなと思えるような、まともなものだった。

ただ、勧められるままに全てやってると破産するので、
とりあえず2つ選んでやってみることにした。

一つは、友人の看護師さんに勧められた整体。
曰く、
「すべての不調は骨盤の歪みに起因している。背骨がきれいに伸びて神経伝達が正常に戻ると、軽い不具合は治る」(意訳です)
だそうな。

実際、始めて3ヶ月くらいで、貧血はかなり楽になった。
職業病(パソコン仕事だから)の首肩腰の痛みもずいぶん治った。

コレはほんと、続けてよかったなって思う。

ほんと健康法なんて、結局はどれか自分に合うものを見つけて、地道に続けるしかないんだなと思う。
続けなきゃ振出しに戻ってしまう。

タピオカはおそらく来年にはみる影もなくなるんだろうけど、自分の体はなくならないんだし、ずーっと、メンテナンスし続けていくしかない。
自分の体のために、続けていきたいなあと思ってます。


ちなみに2つやったことのあと一つは、「見るからに胡散臭いこと」です。

えっとですね、「スマホの待受を『湘南の風のshock eye』さんにする」ことです。
『湘南の風のshock eye』さんは、『歩くパワースポット』と呼ばれるひとだそうで、待ち受けにすることで運気を上げてくれるそうです。

友達に聞いて、くだらなすぎてめっちゃウケてみんなで待ち受けにした。
ご利益あるかは知らないけど、あと4年再発しなかったら『湘南の風のshock eye』さんのおかげですw


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疑わしきは罰す、それが医療の世界(胆嚢は冤罪によって処されました

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癌手術から1年1ヶ月。
3ヶ月毎の検診を除けば、ふつうの生活と変わらない。

アルコールもまあ、たまに飲む分には飲めるし。
整体に通うようになってからは、立ちくらみもずいぶんマシになった。

ほんと、あれが、たった1年1ヶ月前のことだなんて、、

1年1ヶ月前は、あんなに生きるか死ぬかってギリギリで、手術当日は、「あーもー、死んだらもう知るかww」くらい開き直っていたというのに。

今じゃすっかり、健康ボケしてる。胃カメラ(麻酔あり)さえ怖いです。

とはいえ、私が健康ボケしてようがしていまいが、再発率は変わらないわけで、ある日突然急落下する可能性だってあるわけです。


覚悟なんてのは、まあ、、宣告直後からすればよいのだけど、
癌手術から1年1ヶ月。

そろそろ、こう、じぶんの生き様ってものをね。
もうすこし、フラフラせずに、生きていきたいなあとは思うようになったわけです。

周りの人や先生、日本の医療の恩恵をここまで受けといて、1年1ヶ月も経過しといて、フラフラしたまんまじゃ、「なんか影があるかも?」って冤罪で除去された胆嚢も浮かばれない。

なにかに、誰かに、恩返しできる生き方をしたいなあと、ぼんやり思うわけです。


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何事もなかったように突如更新する私

 

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胃癌の手術を受けてから1年と1ヶ月。
無事、1年と1ヶ月経過した。

ほんともう、あんなに大ごとだったのに、喉元過ぎればって奴で、、
今はもう、普段は再発率が15%程度あることすら忘れてる。

いやあ、人間って自分だけは大丈夫と思う動物っていうより、
大丈夫と思ってないと人生が混乱する動物なんですよね。


あと、4年。

4年逃げ切れば、便宜上、完治と言える。

たまに、ごくたまにだけど、次の検診のときに再発が発覚したら、と、体がスッと冷たくなる時がある。
ほんとに問答無用で、余命宣告される可能性だってあるわけだ。

なんかね、胃癌というか、病気全般に言えるのかもしれないけど、寄生獣みたい。
私の場合、胃だから「イー」ってとこか。

慣れちゃって、フツーになってるけど、
健全じゃないものを抱えてることには変わりなくって、
飼い慣らしているけど、よう考えたらコイツは別に味方ってわけじゃなくて、
暴れだして私もろとも破滅に進むかもしれない。

この感情、現実味がないような、怖いような、なんと言えばいいのか、、


あと、1年。

あともう1年くらい経過したら、その時には、うまく言葉にできるかもしれないなあ。

なんにしても、あと1年ね。
それが終わったら、あと3年。

どうか共存していけますように。


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