胃癌(st1B)体験記、ときどき映画

42才、胃癌(st1B/印環細胞)体験記。趣味は映画鑑賞です

胃癌体験記

胃癌になると貧血になる。バタフライ・エフェクト

ずいぶん体調も良くなったけれど、未だに、たまーに胃の鈍痛やら立ちくらみに襲われる。風邪気味とか寝不足とか、理由がはっきりしてれば良いのだけど、思い当たるフシがなかった日にゃ「なんでだ何が原因だ何をしたってんだ」と八つ当たりしたい気分になる…

来年はタピオカのない世界が訪れるだろう

術後は、体調不良に悩まされた。私はまあ、言うてもリサイズ(胃全摘出でなくて)しただけなので、そこまで酷くはなかったけれど、不意に、でもしょうっちゅう来る軽い貧血はしんどかった。薬を飲むほどではないし、大人しくしてるとすぐ治るのだけど、「あ…

疑わしきは罰す、それが医療の世界(胆嚢は冤罪によって処されました

癌手術から1年1ヶ月。3ヶ月毎の検診を除けば、ふつうの生活と変わらない。アルコールもまあ、たまに飲む分には飲めるし。整体に通うようになってからは、立ちくらみもずいぶんマシになった。ほんと、あれが、たった1年1ヶ月前のことだなんて、、 1年1ヶ月前…

何事もなかったように突如更新する私

胃癌の手術を受けてから1年と1ヶ月。無事、1年と1ヶ月経過した。ほんともう、あんなに大ごとだったのに、喉元過ぎればって奴で、、今はもう、普段は再発率が15%程度あることすら忘れてる。いやあ、人間って自分だけは大丈夫と思う動物っていうより、大丈夫…

胃癌(st1)あるあるなど2

胃のサイズも当社比1/3となれば、まあちょっとした不具合くらいはあって当然だし、その「たいしたことないけどしょっちゅう胃腸不良になる」状態自体にも慣れた。「体調どう?」と聞かれて、ん?こないだのインフルのことかな、などと素で勘違いするくらいに…

胃癌(st1)あるあるなど

術後4ヶ月もすると、胃癌だったことなぞすっかり忘れてしまっている。2〜3ヶ月ごとの検診もデフォルトになって、特筆することもないというか、特筆するような事態(再発)を一番恐れてるんだけど、私のなんてことない日常を読んでくれてる人がいるので、コッ…

3ヶ月ぶりのガガガ検査

退院後の3ヶ月検査に行ってきました。久しぶりの病院は、なんか懐かしかった。「あーそうそう、放射線科行くときいっつも迷ってたっけ」「造影剤の注射は1回は失敗するのがお約束」「CTスキャンはいつもガガガガガってうるさかったなあ」癌発覚当時は重苦し…

癌とタバコと

私は喫煙歴20数年で、人生の半分はタバコくわえてたわけです。妊娠・授乳中は禁煙してたけれど、癌になっても結局手術前日までは喫煙してた。喫煙者はみんなそうだと思うけど、実際に癌になるまでは「喫煙は癌になる可能性を10%高めます」て言われたところ…

長寿遺伝子 vs 癌遺伝子

母の癌が発覚した時は、すでにst4だった。詳しいことは知らない。というか、母自身「ああ、末期癌ってことは長くないってことね」という理解があれば、詳細はどうでもよかったんだと思う。私はもともと見た目も体質も母似なのだけど、引き継ぎついでに、40〜…

露骨にウイルスに舐められる

たまにズンと落ち込むものの、普段は、ほぼ術前と変わらない生活を送ってる。まあ、胃のリサイズをしたくらいのものなので、再発さえしなければ実際大したことないんだと思う。ただ、本当に風邪をひきやすくなった。ウイルスから見ればカモネギというか、「…

胃の仕事量に比べて小腸ときたら…

胃が1/3残ったおかげで、体の回復は早かった。術後2週間くらいは食事のたびにグロッキーになったりしていたけど、それも徐々に少なくなった。普通の和食ならだいたいOK、オイル系パスタとか揚げ物は、術後2ヶ月以上経った今でも、ちょっとヤバめ。たまに、冷…

新年早々、内臓霊のはなし

「胃潰瘍でさ、ちょっと胃の検査に行ったら胃癌が見つかっちゃって。なんかね、40代から多いんだって、そういうの。胃潰瘍から胃癌が見つかるの。でもst1だから、切り取って5年再発しなかったら一応完治なんだって」胃癌になって、いろんな人に自分の病状を…

なんということでしょう。下腹部がタヌキです。

退院して、ムリしないように日常に戻っていった。ダンピング症状もあまりなかったし、体も動かせるようになった。傷は痛いけど、まあ術後初日の激痛に比べたら、かすり傷みたいなものだ。下腹部の違和感を感じたのは、退院初日の夜だった。これは本当に、な…

退院の日。久しぶりにアパートの畳の匂いを嗅ぐ

手術の前日に入院して、術後きっかり10日で退院した。10日ぶりのシャバはあたりまえだけど、何も変わってなかった。入院の時に着てきたコートがほんのすこし肌寒かった。私の胃が10日前より小さくなったってだけ。もしかしたら5年後、私が生存してないかもし…

胃癌(st1)の生存率と再発率を医師に聞いてみた

ネットやら専門書やらで調べたけど、「胃癌手術後の5年生存率」という統計はあっても「再発率」のエビデンスは見つけられなかった。数十年にわたって術後患者の動向を追うだけでも大変なので、生存状態まではデータ化してないのかもしれない。(私が探しきれ…

よくあることなら大抵のことには慣れる

入院する時、4人部屋を選んだ。スペースはゆったりしていたし、子供と夫がたまに寄るだけだったので、ひとり過ごす分にはちょうど良かった。病室のカーテンは防音効果ゼロなので、同室の患者さんの病状はなんとなく聞こえてきた。私より若い患者さんもいた。…

廃液とトネガワと回復していく体

胃を切ると傷口の周辺から廃液がでる。それを管から体外に排出していくのだけど、この管は退院ぎりぎりまで抜けなかった。「もう止まってきてもいいんですけどねー」と言われつつ、ダバダバなので、管を抜いて穴を塞いでもらった。ところでこの廃液だけど、…

胃「今日も休み?」腸「今日も休み?」私「米汁(十分粥)いきまーす」

術後5日から、流動食が始まった。お湯に、米やら味噌やらを溶かした生ぬるい汁をすすると、身体中からぶわっと汗が出た。胃と腸がパニック起こしてるのがわかる。「無理せず残していいですよ」という看護師さんの言葉に甘えて、半分残す(美味しくない)。ケ…

プレゼント・ニュー・ストマック!!

術後2日。痛みのピークが過ぎる。初日、あれがほんとに山場だった。3、4日と過ぎると、痛みはまあきついけど動けるようになった。脊髄の管(麻酔用)が抜け、左手の甲の点滴も抜け、私は少しずつ身軽になっていった。3日ぶりに看護師さんに髪を洗ってもらっ…

そりゃあ胃を切ったけど、こんなに痛いもんかね

術後初日。もうろうとしてた意識がはっきりしてからが、まあきつかった。どこが痛いですっていうレベルじゃない。もう、どこもかしこも痛い。まず元凶の切り貼りされた胃が痛い。腹腔鏡差込口×5箇所が痛い。横腹から出た管(ドレーン)が痛い。寝すぎて首も…

生還

目が覚めた時、薄暗い病室で寝ていた。医師も看護師も、待ってくれていたはずの家族もとっくに引き上げていて、窓の外が真っ暗だった。ちょっと混乱した。というか、痛い。体が痛い。唇カッサカサ。口の中の水分吸い取られてるんだけど。私リッツでも食べた…

手術の日

手術当日。これで私の胃に棲みついた癌は、胃の2/3と周辺リンパ節、胆嚢を道連れに、きれいさっぱりなくなるはず。再発やらなんやら心配事はまだまだあるけど、とりあえずこの手術が終われば、すこし前に進める。放心したような気持ちで手術台に寝そべった。…

さよならスモーキングライフ

入院前日。検査ラッシュのさなかは感情も忙しかったのだけど、とりあえず手術の余地はあることがわかってからは、気持ちは落ち着いていた。明日から入院、手術だと思うと、やっとあやふやな状態から解放されるという安堵があった。じりじり待つのはもうごめ…

デロリアンに乗りながら

胃癌告知からの、怒涛の検査ラッシュ。初めてのMRIは、ちょっと面白かった。音も光もにぎやかで、なんか20年前のSF映画みたい。音質の悪いヘッドホンからクラシックが聞こえてきたけど、いっそのことバックトゥザフューチャーのテーマでも流せばいいのにとか…

真綿で首を締められるような

舞台が総合病院に移った。初めての診察は、まあ、内科で言われたことと同じ。全身検査をして病状を確かめつつ、癌の発生箇所が胃だけなら2/3の摘出手術をしましょう、という流れ。冷静にしてたつもりが、不安で不安でやっぱり涙ぐんでしまう。先生は優しく、…

爆弾投下

診断は、やっぱり胃癌。しかもスキってた。(スキルス性)いちばん知りたいのはその先なのだけど、開腹してみないと、正確なstとレベルはわからないとのこと。ただ、大きな病院で精密検査をすれば予測はつけられると。結局その日は、はっきりしたことは何も…

グーグルの検索履歴が一気に禍々しくなった

来院の日。電話の時点で胃癌なのは明らかなので、これからのことを決めなきゃならない。一夜漬けでひととおりググってみると胃癌の場合、ざっくりと初期癌はイージーモードst1〜2はノーマルモード(スキルス性だとちょっと難易度高め)st3以上はハードモード…

「悪いもの」

内視鏡検査から10日。ほんの束の間の平和が脆くもくずれたのは10月3日だった。仕事中、知らない番号から電話があった。その時私は、タバコを吸いながらスマホでラインか何かを見ていた。慌てて電話に出ると、内科の院長先生からだった。もうこの時点で嫌な予…

胃癌確定の日

2018年の春に、市の癌検診に行った。母が末期の癌で亡くなっていたし、40才になって、こう、自分の身繕い?というか、一度自分の状況整理をしておこうと思ったのだ。検査結果は白。ほっとした。40才もがんばっていこうって思ったのが、5月のことだった。今年…