胃癌(st1B)体験記、ときどき映画

42才、胃癌(st1B/印環細胞)体験記。趣味は映画鑑賞です

退院の日。久しぶりにアパートの畳の匂いを嗅ぐ

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手術の前日に入院して、術後きっかり10日で退院した。

10日ぶりのシャバはあたりまえだけど、何も変わってなかった。
入院の時に着てきたコートがほんのすこし肌寒かった。

私の胃が10日前より小さくなったってだけ。
もしかしたら5年後、私が生存してないかもしれないってだけ。

胃癌を告知された時はあんなに動揺したっていうのに、客観的に変わったのはたったそれだけ。

夫は仕事で子供も幼稚園だったので、ひとりでのんびり帰宅した。
久しぶりのアパートの部屋は、まあ仕方ないけど若干荒れていたので、ざっくり片付けて掃除する。

畳にゴロンと横になって、深呼吸した。

癌になったけど、とりあえず切り抜けられた。

ほっとしたし、それなりに感慨もあった。
入院前に保留にしてた心配事や問題は、もちろんそのまま残ってた。
st1の胃癌とはいえ、一度は本気で死の気配をすぐそばに感じたおかげで、色んな感情がまた加算された。

それでも、日常が戻ってきたことが嬉しかった。


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