退院の日。久しぶりにアパートの畳の匂いを嗅ぐ
手術の前日に入院して、術後きっかり10日で退院した。
10日ぶりのシャバはあたりまえだけど、何も変わってなかった。
入院の時に着てきたコートがほんのすこし肌寒かった。
私の胃が10日前より小さくなったってだけ。
もしかしたら5年後、私が生存してないかもしれないってだけ。
胃癌を告知された時はあんなに動揺したっていうのに、客観的に変わったのはたったそれだけ。
夫は仕事で子供も幼稚園だったので、ひとりでのんびり帰宅した。
久しぶりのアパートの部屋は、まあ仕方ないけど若干荒れていたので、ざっくり片付けて掃除する。
畳にゴロンと横になって、深呼吸した。
癌になったけど、とりあえず切り抜けられた。
ほっとしたし、それなりに感慨もあった。
入院前に保留にしてた心配事や問題は、もちろんそのまま残ってた。
st1の胃癌とはいえ、一度は本気で死の気配をすぐそばに感じたおかげで、色んな感情がまた加算された。
それでも、日常が戻ってきたことが嬉しかった。
↓読んでくれたら嬉しいです(*´Д`*)