よくあることなら大抵のことには慣れる
入院する時、4人部屋を選んだ。
スペースはゆったりしていたし、子供と夫がたまに寄るだけだったので、ひとり過ごす分にはちょうど良かった。
病室のカーテンは防音効果ゼロなので、同室の患者さんの病状はなんとなく聞こえてきた。
私より若い患者さんもいた。
私の入院中、入れ替わっていったけれど、癌じゃなくてもみんなどこかしら悪かった。
看護師さんたちは毎日、患者の状態の引き継ぎをしていて、何人かの看護師さんがローテーションで私の傷の具合、血圧などを記録していった。
体調が良い日は、病院1Fの癌情報コーナーに行って、専門書を読んだりした。
1Fのロビーは、相変わらず人が多かった。
1週間以上も病院で過ごしていると、多かれ少なかれ、みんなどこかしら病気であることがデフォになる。
告知された当初は「癌である自分」を持て余していたけど、
その頃には「血液型はAB型です。癌は胃癌(st1)です。趣味は映画鑑賞です、ネットフリックスですけど(微笑)」くらいには慣れた。
廃液の管も取れて、痛みもすっかり和らいだ。
食事も時間をかければ食べられるし、もうひとりで入浴もできる。
だけど、自分の体に慣れてきて退院も間近になった頃、「再発の可能性」に心乱されることになる。
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